牛乳を飲むとお腹を壊すのはなぜ?【解説】
「牛乳を飲むとお腹を壊すのはなんで?」
「原因はなんなの?」
「どんな牛乳なら安全?」
本記事はこのような疑問にお応えする内容となっております。
本記事のポイント
① 牛乳を飲むとお腹を壊す理由
② 牛乳中の女性ホルモンが身体に及ぼす影響
はじめに
「牛乳は体にいい」
そう教えられて牛乳を飲むことが習慣となっている私達ですが、牛乳を飲んでお腹を壊すことは意外と多いです。
普段の生活の中では深く考えることはありませんが、改めて考えてみると体に良いはずの牛乳を飲んでお腹を壊すとは一体どういうことなのでしょう。
牛乳と腹痛にはどんな関係があるのでしょうか?
本記事では牛乳と腹痛の知られざる関係について触れていきたいと思います。
日本人の体質に合わない
牛乳を飲むことによってお腹を壊す理由はいくつか存在します。
第一の理由は「乳糖不耐症」です。
日本にはもともと“牛乳を飲む”という習慣そのものが存在しなかったため、古くから酪農を行ってきた欧米人とは体の作りからして大きな違いがあります。
そのため日本人の3人に2人は乳糖不耐症であるといわれています。
牛乳中の乳糖(ラクトース)の消化酵素(ラクターゼ)がない人が乳製品を摂ると、消化不良や下痢などの症状が出る。
乳糖不耐症の人は、牛乳を飲んでも乳糖を十分に分解することができないので、小腸で吸収できずに大腸まで流れ、大腸の腸内細菌によって酸やガスが発生してしまいます。
これらの刺激により腸が過剰に収縮を起こし、「下痢」や「腹痛」に繋がるわけです。
ちなみに“牛乳を飲む習慣”はGHQが行った学校給食から始まりました。
化学物質への拒否反応という可能性
第二の理由は「抗生物質」です。
畜産では家畜が病気にならないよう、飼料に抗生物質を混ぜて与えることは少なくありません。
現代は大量生産の時代であるため、畜産では密飼いが行われています。
鶏などが狭いケージの中でたくさん飼育されている状態を想像してください。
それが「密飼い」です。
密飼いは飼育している動物に対し極度のストレスを与えます。
動物も人間と同じようにストレスを感じます。
そしてストレスがピークに達した時、生き物は病気になります。
ですが、家畜が病気になってしまっては元も子もありません。
そこで使用されるのが抗生物質です。
エサには薬剤が混ぜられ随時投与されます。
どれだけストレスを与えても「常に薬を飲ませておけば大丈夫」というような考え方なのでしょう。
お肉や牛乳、卵、などを食べた後、病院でも原因不明のアレルギー反応が出る人が稀にいます。
そして、この原因不明のアレルギーは飼料に入れられている抗生物質などの薬剤が原因です。
ブラジル産の鶏肉やチリ産の養殖サーモンには共に大量の抗生物質が使用されており、これらを食べると蕁麻疹が出たり、必ずお腹を壊してしまうという人が実際にいます。
科学的根拠は一切ありませんが、そういった人が実際にいるというのは確かです。
事実、私の知人のお子さんがまさにこの状態です。
そのため外食でお肉を食べることは一切できません。
しかし、抗生物質・成長ホルモン剤不使用のお肉であれば問題なく食べることが出来ます。
重ねて言いますが科学的根拠は一切ありません。
ただ、事実としてこういうことがあるというのは知っていて欲しいです。
牛乳を飲んでお腹を壊すのも、もしかすると乳牛に使用された抗生物質などの薬剤に体が拒否反応を起こし、それが腹痛に繋がっているのかもしれません。
壊れたタンパク質が関係している
第三の理由は「牛乳中のタンパク質」にあります。
一般的に市販の牛乳は殺菌のために加熱処理をしており、これによりって牛乳中のタンパク質の60〜80%は変性してしまいます。
これを「熱変性」と言います。
牛乳を超高温で加熱するとカルシウムは吸収されにくい形になり、タンパク質は体に負担をかけるものに変性してしまう。
栄養的価値が大きく変わることはないが、2000年の日本公衆衛生学会では「カゼインの熱変性によってアレルギー性が上がる」と報告されている。
市販の牛乳の9割は超高温殺菌されているため、そのほとんどが熱変性していると考えていいでしょう。
生乳を120~150 ℃ で2~3秒間加熱殺菌する方法。
日本で市販されている牛乳の9割以上がこの殺菌方法で処理されている。
一般的に牛乳に含まれるカゼインは、熱による変性を受けにくいタンパク質と言われていますが、72℃以上から変性が始まります。
超高温殺菌は120〜150℃なので、その場合は熱に強いカゼインも変性してしまうことになります。
市販の牛乳の9割は超高温殺菌されているため、加熱による熱変性で栄養素は壊れ、子牛が飲む生のお乳とは成分が大きく変化していると考えられます。
熱変性していない場合、カゼインは胃の中に入ると胃酸やペプシンによりチーズのように固まります。
そして少しずつ溶けながら腸へ向かい、ゆるやかに消化吸収されます。
しかし、熱変性したカゼインは固まらず、直接腸に流れてしまいます。
(出典:東毛酪農業協同組合)
この変性したタンパク質が人間の体に何らかの影響を与え、腹痛を起こしている可能性は十分あり得るでしょう。
牛乳を飲むのであればできるだけ「低温殺菌」のものをお勧めします。
生乳を保持式で63~65℃で30分間加熱殺菌する方法。
牛乳の風味やタンパク質を壊さずに殺菌が可能。
【番外編】女性ホルモンの影響
本記事の趣旨とは違いますがこれも書くべきと思ったので番外編として入れさせていただきました。
現代の酪農と昔の酪農の最も大きな違いは「妊娠している牛からもミルクを搾るようになった」という点です。
生産効率を重視する現代の酪農では、毎日の牛乳生産量が大きく変わらないようにするために4種類の乳牛から搾乳しています。
妊娠していない牛、妊娠前期の牛、妊娠中期の牛、妊娠後期の牛の4種類です。
搾乳されたミルクは牛乳メーカーに出荷するためにタンク内に集められます。
当然妊娠中の牛とそうでない牛のミルクを分けたりなどしません。
すべて同じタンク内に入れられます。
つまり市販の牛乳の3/4(75%)は妊娠中の牛から搾った牛乳というわけです。
例えるなら農薬を使った野菜とオーガニックの野菜をすべて一緒くたにしているような状況です。
さて、ここからは妊娠中の牛から搾った牛乳が身体に及ぼす影響について話していきます。
動物は妊娠すると血中のエストロゲンとプロゲステロンの濃度が高くなります。
代表的な女性ホルモン。
「女性らしい体」を作るために働く。
思春期の性発達を促し、乳房で乳管の発育を促進させるとともに性周期(月経)の発現に重要な役割を果たしている。
女性ホルモンの一つ。
子宮内膜や子宮筋の働きを調整したり、乳腺の発達や妊娠の維持などに関わる。
人間であれ牛であれ母乳は血液から作られるため、妊娠中の乳牛から搾ったミルクにはこれらの女性ホルモンが多量に含まれることになります。
「最近の子どもは発育がいい」
この言葉、一度は聞いたことありますよね?
そして発育がいい子に限って好んで牛乳を飲んでいたりします。
幼児の生理、小学生のうちから異様に成長する胸。
小さい頃から牛乳をたくさん飲んでいた場合、同時に牛乳に含まれる女性ホルモンも多量に摂取しているので、結果的に第二次性徴を早めることに繋がります。
ただ、一般的には子どもの発育と牛乳に含まれる女性ホルモンには、因果関係は無いとされています。
一般社団法人Jミルクも「牛乳摂取によって女性ホルモンの影響を受けることはない」と言っています。
しかし、Jミルクの言っていることが間違っているとしたら、どうでしょう。
牛乳に含まれる女性ホルモンが子どもたちの体に吸収されているとしたら…
実は牛乳中の女性ホルモンが小児に吸収されることは丸山和美氏らの研究によって既に証明されています。
(Kazumi,M. Kenji,O: Exposure toexogenous estrogen through intake of commercial milk produced from pregnant cows. Pediatrics Internationnal52(5).2010)
そして丸山氏らが行った、小学5〜6年生と中学1年生女子の保護者1,319人を対象とした調査では、12歳代で牛乳の摂取量が多いほど、乳房が発達し、初潮ありの女子は有意に牛乳摂取量が高いと報告されています。
(丸山和美 牛乳摂取量と思春期小児の身体成熟との関連)
牛乳中の女性ホルモンが吸収され、子どもの発育に影響を及ぼしていることは間違いないでしょう。
女の子の発育を早め、より女性らしい体になるなら、むしろいいことではと思うかもしれませんが、よくよく考えてください。
自然な発育ならまだしも、外部から取り入れた女性ホルモンによって強制的に早熟させられるというのは本当に安全なのでしょうか?
外国産の鶏は成長ホルモン剤によりたったの30日ほどで大人の体に成長させられるといいます。
体だけ大きくなっても成長スピードに追いついていないので、鳴き声は「ピヨピヨ」とヒヨコのままだそうです。
“急速に発育する体”と成長スピードに追いつかない“子どもの心”戸惑う子どもたちが心配でなりません。
牛乳メーカーは妊娠牛から搾った牛乳と、非妊娠牛から搾った牛乳をきちんと分けて販売するべきではないでしょうか?
以下のようなパッケージが最も理想的です。
(出典:佐藤章夫 安全で付加価値の高い新しいミルクの製造)
今最も必要とされている牛乳は「Caが多い牛乳」ではなく「非妊娠牛から搾った子どもが安心して飲める牛乳」です。
今すぐにでもこのような商品を作るべきだと強く思います。
おわりに
一般社団法人 Jミルクのホームページには本記事とは正反対のことが書いてあります。
現在は様々な情報が溢れかえっており、その中では真実が間違いとされていたり、逆に間違いが真実とされる。
そんなことが当たり前のように起こっています。
有名人の〇〇さんが言っていたから正しい、近所の○○さんが言っていたから間違い、など先入観で決めてしまうのは危険です。
両方の意見を聞いた上でどちらが正しいのかを判断する必要があります。
「そんなこと言われてもどっちが正しいかなんてわからない」
と大半の人が思われることでしょう。
しかし、それでいいんです。
私も自分の意見が正しいかどうかなんて正直わかりません。
間違っている可能性も大いにあるでしょう。
それでもいろんな考え方を見る中で一番納得できたのが本記事の内容です。
私は心の底から正しいと感じたものこそが自分の中の「正解」だと思っています。
正解と間違いのどちらか一方ではなく、両方を見た上でより正しいと思う方をあなた自身で選択してください。
周りに流されず、何が正しくて、何が間違っているのか、あなた自身の目で見極めてください。
そうして選択した答えが、あなた自身の「正解」です。
[1]『牛乳のここが知りたい』家庭栄養研究会 著(食べもの通信ブックレット② 2020年3月)
[2]『牛乳は子どもによくない』山梨医科大学名誉教授 佐藤章夫 著(PHP新書 2015年)
[3] 「東毛酪農業協同組合HP」(https://www.milk.or.jp/belief/pasteurizedmilk.html)
[4]「現代牛乳の魔力」山梨医科大学名誉教授 佐藤章夫 著(http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/milkmagic.html )
[5]「Kazumi,M. Kenji,O: Exposure toexogenous estrogen through intake of commercial milk produced from pregnant cows. Pediatrics Internationnal52(5).2010」 (https://www.researchgate.net/profile/Kenji-Ohyama/publication/26267220_Exposure_to_exogenous_estrogen_through_intake_of_commercial_milk_produced_from_pregnant_cows/links/5a2caa870f7e9b63e53ae5e6/Exposure-to-exogenous-estrogen-through-intake-of-commercial-milk-produced-from-pregnant-cows.pdf?origin=publication_detail)
[6]「丸山和美 牛乳摂取量と思春期小児の身体成熟との関連」 (https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-21790576/21790576seika.pdf)
[7]「一般社団法人 Jミルク」(https://www.j-milk.jp/index.html)
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