チリ産養殖サーモンの危険性 〜陸で産まれた魚たち〜
よくチリ産やノルウェー産のサーモンは危険だと言われますが、果たして「本当に危険なのか?」と疑問に思ったことはあると思います。
私もチリ産の養殖サーモンは以前から気になっており、個人的にまとめていたので今回はそちらを分かりやすくまとめ直し、記事として書かせていただきました。
さっそくですが、結論から言わせていただきます。
チリ産の養殖サーモンは避けるべきです。
また、ノルウェー産の養殖サーモンもほぼ同じ飼育方法なため同様といえます。
なぜ避けた方がいいのかはこれからじっくりと解説していきますので、最後までお付き合いください。
よろしくお願いします。
養殖サーモンの輸出国
養殖サーモンは様々な国から輸出されていますが、その中でも群を抜いて輸出量が多いのがノルウェーとチリです。
1位 ノルウェー:1,220,000t
2位 チリ:495,000t
3位 イギリス:170,000t
4位 カナダ:141,000t
※アトランティックサーモンのみの統計(2017年)
日刊水産経済新聞調べ
また、世界トップ15社のサーモンの養殖会社の内、7社がノルウェー、6社がチリの会社となっています。
つまり世界に輸出している養殖サーモンの大半を、チリとノルウェーでまかなっているといえます。
これほどの量のサーモンです、普通の飼育方法ではここまでの量を輸出することは難しいでしょう。
畜産の場合、輸出量が多くて安いお肉には、必ず成長ホルモン剤や抗生物質が使われています。
ブラジル産の鶏肉がある意味いい例です。
ではチリやノルウェーの養殖サーモンはどうなのでしょうか?
言うまでもありませんが、間違いなく「なにか」があります。
大量生産できる安い物にはそれ相応の「ワケ」があるのです。
チリ産養殖サーモンが“薬漬け“と言われる理由 〜抗生物質のプールで泳ぐ魚たち〜
チリのサーモンの養殖は、親魚からの卵の採集から孵化、仔魚・稚魚・幼魚の育成をすべて陸上の施設で一貫して行っています。
孵化場には主に3種類の施設があり、一つは親魚から卵を採る採卵施設で、屋外のプールで上に黒いシートをかけたり外したりして魚が感じる日照時間を調整し、通年産卵が行われるようにしています。
二つ目は孵化から5gになるまでの仔魚を育成する屋内施設で、これは何十もの水槽に分かれておりワクチンの投与などが行われています。
三つ目は5gから25gになるまでの稚魚を育てる屋内の施設で、こちらも何十もの水槽に分かれており、魚の生育度に応じて自動的に仕分けを行い、大きさを揃えて出荷しています。
屋内の施設には、それぞれに巨大なバイオフィルターが設置してあり、使用される水の交換は毎日全体の5%程度のようです。
屋内プールで稚魚にまで育つと、その後は海岸に設置された淡水養殖場の屋外プールにトラック輸送され、 そこで徐々に塩分濃度を上げながら幼魚の最終段階まで育成させ、その後に海面養殖場に移されます。
幼魚にまで育って、ここで初めて陸から海に行くわけです。
海面養殖場は、四角形の枠の養殖場や円形の枠の養殖場があり、一つの枠の中に約5万匹のサーモンが入れられており、魚の密度は非常に高いです。
いわゆる密飼いです。
畜産ではよく耳にする言葉ではないでしょうか?
鶏などが狭いケージの中でたくさん飼育されている状態を指します。
それと同様のことがサーモンの養殖でも行われています。
密飼いは飼育している動物や魚に対し極度のストレスを与えます。
人間でイメージしてみると分かりやすいと思います。
畳一畳しかない部屋で三人で暮らせと言われたらどうしますか?
無理ですよね?
一人で暮らすことすら窮屈なのに、三人も一緒だなんて気が狂いそうになりますよね?
密飼いとはそういうことです。
人間と同じように動物や魚もストレスを感じます。
そしてストレスがピークに達した時、生き物は病気になります。
ですが、養殖場で育てているサーモンが病気になってしまっては元も子もありません。
そこで使用されるのが抗生物質です。
養殖場では病原菌や細菌がはびこるため、抗生物質などの薬品がエサに混ぜられ常時投与されます。
どれだけストレスを与えても「常に薬を飲ませておけば大丈夫」といったような感じでしょうか…
畜産の場合も同じくエサに抗生物質を混ぜて与えますが、エサを食べきってしまえば周りに残ることはありません。
しかし、魚の養殖の場合残ったエサは水中に舞い続けます。
エサが残るということは、同時に抗生物質も残るということです。
つまりは抗生物質に満たされた水の中で生活することになるのです。
海面養殖場の場合は常に周りに残るということはないでしょうが、一定期間は残るでしょうし、なにより毎日のエサに抗生物質が入れられていれば常に薬に浸かっているのと同じようなものです。
チリ産養殖サーモンは“薬漬け“と言われるのも頷けます。
チリ産養殖サーモンの飼育には殺虫剤が必須!?
サーモンの養殖においては、海ジラミの問題が非常に大きいようです。
海ジラミは、サーモンに寄生し細胞組織に損傷を与えて死に至らせる寄生虫です。
海ジラミが直接の死亡原因とならなくても、海ジラミがサーモンの体に損傷を与えることで、他のバクテリアやウィルスなどが侵入し易くなり、サーモンが病気に罹りやすくなることが問題とされています。
海ジラミはチリの養殖場で頻繁に大発生し、チリの養殖業界にとって最大の難問の一つとなっていますが、原産地である北半球の養殖場では、チリのような大発生は見られないようです。
不思議ですね。
海ジラミの対策としては、養殖の全期間を通じて殺虫剤の一種であるエマメクチン安息香酸塩が定期的に投入されています。
かつては3ヶ月以上に一度の投入だったのが、現在はほぼ毎月1回のペースで投入しているようです。
ちなみに、安息香酸塩は食品添加物の保存料として清涼飲料水や栄養ドリンク、シロップ、醤油などに使用されていますが、毒性が非常に強く微量でも胃や腸の粘膜への影響が心配されます。
また、2007年1月に発表された報告書によると、チリ南部で養殖されたサケの生食が原因で、ブラジルの複数の都市で広節劣頭条虫が人体に寄生する事例が報告されているそうです。
・Salmon Aquaculture and Transmission of the Fish Tapeworm
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2725803/pdf/06-0875.pdf
殺虫剤も万能ではないということですね。
しかし、海ジラミ等のサケの健康問題に対する決定的な対策が存在しないため、殺虫剤を使用するしかないというのが現状です。
チリのサーモン養殖場は「スーパーバグ」の温床
スーパーバグとは薬剤耐性を獲得した細菌のことです。
スーパーバグは耐性菌とも呼ばれ、文字通り薬剤に対する耐性を獲得しているため抗生物質が効きません。
例えこの耐性菌に効く抗生物質を新たに開発しても、たちまち新たな耐性菌が現れて広がっていくことになります。
そしてこのスーパーバグを最も発生させやすいのが、抗生物質が乱用されている状況です。
常に抗生物質が周りにあるため、細菌は耐性を獲得しやすくなるわけです。
残念ながらチリのサーモン養殖場はスーパーバグを最も発生させやすい状況に完全に当てはまります。
密飼いによる病気を防ぐために抗生物質を使い続けているため、十分スーパーバグの温床となり得えます。
細菌という観点から見てもチリのサーモン養殖場は危険なのです。
薬品まみれのサーモンの残骸は家畜のエサに早変わり
加工された後に残ったサーモンの残骸の約70%はリサイクルされています。
サーモンの残骸はフィッシュミールになり、世界に輸出されペッフードや家畜の飼料になります。
そしてこのフィッシュミールの最大の輸出先はブラジルです。
そう、ここでブラジルに繋がるわけです。
ブラジル産の鶏肉は危険だと言われていますが、その原因の一つがチリ産養殖サーモンだったのです。
抗生物質と殺虫剤の薬漬けにされたフィッシュミールがエサなわけですから、危険なのは当然でしょう。
ブラジル産の鶏肉については以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はそちらををご覧ください。
👉 アメリカ産牛肉とブラジル産鶏肉の危険性【触らぬ毒肉に危害なし】
チリ産養殖サーモンのエサ 〜飼料はなんと鶏と豚〜
通常サーモンのエサは、他の魚を粉にしたものをペレットにして与えますが、それではコストがかかり過ぎるため、鶏肉や牛肉などの残骸や穀物をエサとして与えているそうです。
天然の鮭は動物の肉や穀物を食べる事は絶対にありえません。
この時点で自然に反した不自然な魚になっています。
自然の摂理に反すると、必ず生命としてのバグが発生します。
その代表的な例が狂牛病(牛海綿状脳症)です。
この病気は牛の脳の中に空洞ができてスポンジ状になり、運動神経の障害を起こして最終的に死に至ります。
また、人間にも感染する可能性があると言われており非常に恐ろしい感染症です。
狂牛病は家畜の牛に肉骨粉という動物の血や肉や内臓で作ったエサ(牛の肉も含まれる)を食べさせたのが原因で発生しました。
本来であれば草しか食べない動物に肉を食べさせたのです。
しかも同種である牛の肉まで食べさせたのです。
体に合わないものを食べさせ、更に共食いまでさせるなんて、まさに狂気です。
自然を無視した行為の果てが狂牛病です。
これを生命のバグと呼ばずに何と呼ぶのか…
このように自然の摂理に反すれば反するほど、予想だにしない事が起こってしまいます。
そして、チリのサーモン養殖場では自然の摂理に反したことが行われています。
これが何を引き起こすかは誰にも分かりません…
まとめ
ネットでチリ産養殖サーモンについて調べると決まって
「危険性はない」
「安全です」
「危険なんていうデマに騙されないでください」
などと言って、やたらと擁護する記事が多いですが逆になぜ安全だと言い切れるのでしょうか?
企業が安全だと言っているからでしょうか?
メディアが安全だと言っているからでしょうか?
悲しいことにどちらも信用に足りません。
では信用できるのは何か?
もちろん消費者の声です。
チリ産やノルウェー産の養殖サーモンを食べた後胃に痛みを感じたり、食べると必ず下痢になったり、原因不明の蕁麻疹が出たりする人が実際にいます。
ですが、企業やメディアはなぜかその事実を伝えません。
いくら企業が「安全」だと言っても、これでは消費者は「安心」できません。
安全と安心は違います。
安心できないものは買えない。
これが全てだと思います。
ですので最後はあえて危険という言葉は使わず、こうまとめることにします。
チリ産養殖サーモンは不安の塊である…
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